こんにちは。
Dariです。先月に引き続き、今月も俺が担当のようです。来月は多忙につき担当がきっと変わる
今月で遂に4周年を迎えた第48回ポテンシャルポケカのレポートです。
はじめに自己紹介を。
ポケカ歴は本格的にやり始めて4年、シャルポケは2年半前ほどからの参加です。
ありがたいことに何度か卓優勝、総合優勝をいただいています。これからも精進したいと思います。
ポケカ以外には他のカードゲームやビデオゲーム、オンラインゲームなどもちょいちょいやってます。
それでは総合優勝デッキ、各テーブルでの卓優勝デッキ、主催者の選ぶデッキ賞(さけねこ賞)についてご紹介に参ります。
総合優勝/A卓優勝 「ガジェットショー」 byけん
栄えある4周年の記念の回に総合優勝を勝ち取ったのはけんさんの「ガジェットショー」デッキです。

「ガジェットショー」と言われてなんのこっちゃとなっているそこのあなた。大丈夫です。あなたの思考回路は正常反応はだいたい一般的です。

はい。「カットロトム」のワザですね。二ヶ月連続で観戦者を置き去りにするシャルポケらしさに溢れるカードですね……。
ワザ「ガジェットショー」は自軍の「ポケモンのどうぐ」の枚数に応じてダメージが上がっていくワザです。このため、基本的には6体に1枚ずつつけることで30倍の180ダメージが最大値となります。
ここでとあるポケモンの存在を思い出してみましょう。

「ブロロロームex」です。特性「チューンアップ」によってこのポケモンは「ポケモンのどうぐ」を4枚までつけられるようになります。
この特性を利用し、最終ダメージを90点加算し240点……すなわち無補正のタケルライコexを撃墜できるラインまで持っていこう、という戦術となっています。
当然ですがブロロロームexをたくさん用意すればその分ダメージは伸びるのでもっと多くのポケモンを倒すことができるでしょう。といっても用意するのがなかなか手間なうえ、2体では310点と大型ポケモンに届かず、気合いで3体目のブロロロームを用意する必要が出てくるので無理をする必要はないですが……一応、かなり大型のポケモンも気合いを入れれば討ち取ることが出来ると思えば十分ですね。
実際気合いで3体目を作ることで大型のポケモンを撃破した実績があるようです。移動用の板は2枚しか作らなかったのに
ちなみにカットロトムの要求が無色2つのため、鋼エネルギーをベースとして採用していますがこれはいざというときにブロロロームが攻撃に参加することが出来るように、とのこと。

また、ご存じの方も多いでしょうがブロロロームexは分岐進化に特性「ランブルエンジン」持ちの個体がおり、置きドローソースとしての役割を持てるのもポイント。昨今ドローソース特性不足に喘ぐポケカ環境においてはかなり優秀なポケモンです。
そんなブロロロームの性能を余すとこなく活かしており、とても無駄なく美しい構築になっていると言えますね。やってることは二ヶ月連続でアレなのはさておき
デッキの仕組みの都合上「ポケモンのどうぐ」を当たり前っちゃ当たり前ですがたくさん採用する必要があります。これに伴い、ACE SPECは「トレジャーガジェット」がとても輝くカードとして珍しく採用を検討できます。

「トレジャーガジェット」は自身の山札から5枚まで無条件で「ポケモンのどうぐ」を手札に引き寄せることができます。サポート「ペパー」でこのカードともう1枚適当などうぐを指定するとなんと6枚もポケモンの道具が手札に集まってきます。
序盤は「なかよしポフィン」や「ハイパーボール」、このデッキではないですが「ふしぎなアメ」などのグッズ類をかき集めるのに便利なペパーですが、基本的には終盤になるほど価値が下がっていってしまう……そんな悩みともこのデッキならば無縁と言えます。これには最近ペパー不信の僕もニッコリ。むしろどっちかと言うと序盤に必要な札が増えてるのはきっと気のせい
また、ペパーでトレジャーガジェット(+どうぐ)を拾うと、道具6枚とトレジャーガジェットの7枚を山札から引き抜くことができ、大幅な山札圧縮としても機能します。拾ったどうぐは基本的に全て場のポケモンにつけて手札から消費される事が多いので、「ランブルエンジン」での手札補充を阻害しない点も良い感じ。
採用しているどうぐについても、ロトム自身にはついていれば何でもよいためエネ供給の負担を軽くできる「学習装置」「カウンターゲイン」を筆頭に、汎用性の高い「緊急ボード」や盤面を守れる可能性が上がる「ガチガチバンド」「ハンディサーキュレーター」と理にかなったものが多く搭載されています。
1枚だけ意味不明なカードが紛れ込んでいますが、きっと気のせいでしょう。多分普通に「カウンターゲイン」か「まけんきハチマキ」あたりを増やしておくと無難になると思います。もしかしたら突然絶滅を逃れたポケモンVと遭遇する可能性はゼロではないけども
「ヒートロトム」はカットロトムの5枚目になります。「なかよしポフィン」から呼べないことが玉に瑕ですが、同じく「ガジェットショー」を持つ通常のロトムと比べるとあちらはHPが60のため耐久値に不安が残るため、展開力とトレードオフでこちらを選択したというところでしょうか。一応、夜のタンカを増やして擬似的にカットロトムの数を増やすという手も無くはないですが、これはこれでロトムスタートの確率は下がるのでそれを嫌ってということもあるでしょう。
また、カットロトムで統一した場合、強力な悪タイプに強い半面、同じく強力なポケモンが多い鋼タイプに抵抗力で苦しむことになります。そういった意味でも弱点をつけるヒートロトムの採用はかなり有効打となるので良いですね。
総じてデッキスペースが足りなくなりがちな特性「チューンアップ」に対し、たねポケモンで道具数を要求する「カットロトム」を添えることで解決しつつシナジーを形成しており上手に構築していると思います。
それから動かすの超めんどくさいという理由もあって「ブロロローム専用一緒に道具ごと動かす板(命名:俺)」まで自作してきたのもエンタメ点が高いですね(下記X投稿の画像3枚目)。あえてのダンボール工作なのも違法改造感あるいい味がでてると思います。使用するときはお相手の許可を取りましょうね
最終戦の優勝決戦も見事に轢き逃げ制しました。第48回、記念回の総合優勝おめでとうございます!
B卓優勝 「メガハルクオロチ」 byなつあかね
二ヶ月連続で僕はメガヤンマとカミツオロチに轢かれました。絶対に許しません。
というわけでB卓からはなつあかねさんの構築が優勝です。

さて、先月解説したメガヤンマ君ですが。今回の相方はこちらになります。どうして二ヶ月連続で俺はメガヤンマの解説をしているんだ?

「ハルクジラex」です。特性「ゆきにまぎれる」によって、「相手が」使用したグッズとサポートの効果をこのカードは受けません。
難しいことを書いていますが、要するに「プライムキャッチャーだろうが、ボスの指令だろうが、グズマだろうがどくさいみん光線だろうがなんだろうが関係なくこのカードを対象とした場合はすべて無効化する」と思っとけばいいです。つまりベンチにいたらほぼ無敵です。ただしダメージだけは通る
これを活かし、メガヤンマexのワザ「ジェットサイクロン」で発生するエネルギーの送り先として、かなり安全に盤面のエネを保護する受け皿として運用することができます。
しかしこのままでは別にエネの種類が一致しているわけでもないので、ただ無駄にエネを抱え込むちょっと意味のわからない耐性の強い置物程度の価値しかありません。
ここで選ばれたのが「カミツオロチex」というわけです。

「カミツオロチex」は盤面の草エネルギーの数を参照しワザの火力を上げる「みつあめストーム」というワザを持ちます。
これにより、安全に受け皿に保護したエネルギーを守りつつ火力を担保するコンボを形成しています。これで攻めているだけでも正直十分強いです。なかなか上手いですね。
更にこれだけでは終わりません。カミツオロチexにはご存知かどうかはさておき分岐進化にワザ「オロチブレス」持ちの個体がおり、何故かダメ押しができる可能性があるのもポイント。しかしブロロロームに比べると知名度が低すぎる

ワザ「オロチブレス」は手札から草エネルギーを6枚トラッシュすることで相手のバトルポケモンを強制気絶させるワンチャンスの塊と言えるワザ。
とはいえ手札からエネルギーカードを大量に落とすというあまりにも重いコストがのしかかります。ワンチャン性能は高いですが、そんな簡単にこれを都合よく達成できる方法があるはずが……。

あるんですねぇ。茶番的にも都合良すぎる
先程までエネの受け皿として謎の草エネタンクになっていたハルクジラ君。これをACE SPEC「ポケモン回収サイクロン」でついているカードごと手札に回収することで複数枚の草エネを手札に抱えることが可能になります。
これを利用し、一気に条件を満たして効果気絶で強襲して勝利、というルートを比較的楽に達成できるようになっています。やるじゃん。
また、先述の通り特性でほぼ無敵の耐性を持つハルクジラといえどもベンチ狙撃やダメカンを載せる効果には無力という点があげられます。と、いっても素の耐久があまりにも高いのであまり気にならないと思いますが。
この「回収サイクロン」を採用することによって、一度限りといえどもHP300を削りきられるまでに回収してトラッシュに落とされるはずだったエネルギーたちを保護することができます。こういったシナジーを形成しているのも流石の構築力。
同じ耐性を持つことのできるカードに特性「きんちょうかん」を持つ「オノンド」もいますが、耐久値の都合で段違いに撃破耐性が高いのでこういった役割はハルクジラ一択と言ってもいいでしょう。流石にベンチに居る300ものHPのポケモンを一撃で葬ることは現状不可能ですので。
枠に余裕があったら「ミストエネルギー」を採用し、弱点になりうる「デヴォリューション」への抵抗を試みても良いかもしれません。ついでにダメカンを乗せるワザも何故か弾いてくれます。嬉しいね。
そういうわけでハルクジラ君が中盤までの盤面のエネ総数担保と、終盤の押し込み用に安全にエネを確保しておく受け皿として光り輝いております。これぞシャルポケ
ちなみに同卓にはもうひとりハルクジラに目をつけた変態人がおりまして。エネルギータンクとしたハルクジラをACE SPEC「スクランブルスイッチ」で引っ込め、大量のエネルギーを活かして技を使うという方針でデッキを組んだ人がいました。類友
これはこれで面白い仕組みだと思うので、皆さんも是非活かしてデッキを考えてみてほしいと思います。お疲れさまでした。
C卓優勝 「Rアーボックフーディン」 byユキネ
C卓からはユキネさんが先月に続き勝ち上がりました。

さて、今月は先月発売弾「ロケット団の栄光」環境と相成ったわけですが……新規カードの中でも特にシャルポケ勢的に一際目を引いたカードはこちらのカード。

「ロケット団のアーボック」です。なんというか、そこはかとなく悪ぅ~いことができそうな顔をしています。アーボックだけに。
このアーボックは特性「にらみをきかす」により、なんとこのポケモンがバトル場に立っている場合に限り、相手プレイヤーを特性持ちの(ロケット団のポケモン以外の)ポケモンを手札から出せない状態にしてしまうというとんでもないポケモンです。怖い
このカードが与える影響は如何ほどでしょうか。考えてみると、みなさんも特性持ちのポケモンを多用しているのではありませんか。
そうです。現代のポケカはかなりポケモンの特性に対し役割を与える比重が多いほど強力な特性を持つポケモンが多く存在し、故にトレーナーたちもそういったポケモン達に依存する部分が多いのが現実です。
特性「マッハサーチ」の「ピジョットex」、特性「さかてにとる」の「キチキギスex」……、考えだすと枚挙に暇がありません。それほどに特性が占める比重は大きいのです。
さて、それらのポケモンが出てこなくなってしまうとなると。それはもう戦術も何もあったもんじゃない、自分だけ一方的に旧裏時代が如き原初の戦いを強いられることとなります。こう考えるととんでもない話ですね。ひどい
とはいえ、このカードには問題もあります。
まずバトル場に立っていることがあること。いくら強力な特性を持つとはいえども、所詮は耐久値も大きくはない普通の非ルール1進化ポケモンであること。更にワザも敵軍全体へ30ダメージと悪くはない性能はしていると言っても要求値が悪3個と非常に重く、新規の専用エネルギー「ロケット団エネルギー」を併用してもエネルギー2枚分と用意が大変。そうなるとこのポケモンでずっと戦うこと自体は不可能でなくとも流石に厳しいです。
そこで、組み合わせたのはこのポケモン。

「フーディンex」ですね。このポケモンはとても珍しいワザを持っており、ワザ「ディメンションハンド」はベンチに居ながら相手バトルポケモンへ120ダメージの攻撃宣言が出来るとても面白いポケモンです。
このワザを使うことにより、アーボックをバトル場に立たせたまま少しでもダメージを稼ぎ、更にアーボックでのロック体制を維持しつつ相手に番を返すことが出来るようになります。ヤバい
更に、「わざマシン デヴォリューション」を搭載しアーボックで宣言することで、相手の場の進化ポケモンを全て手札に返し、その進化ポケモンたちが特性を持っている場合に手札から進化できない状況を作り出すことができます。
これは非常に強力な動きで、昨今の強力なメインポケモンたちは大概特性を持っていたり、あるいはその進化元たちが強力な特性を持っていたりするため、彼らに着地すら許さない状況を押し付けて状況解決を迫ることが出来るのはかなり凶悪な一手になり得ると思います。事前にディメンションハンドで耐久値を削っておけば進化元を倒しつつ進化先を封じるプレイも可能になるので、より強力です。とはいえ、詰めや逆転、序盤の展開阻止など状況を選ばずに「デヴォリューション」の宣言をして強い状況になるこのデッキはかなり特有の強みを持っているでしょう。やられた方はたまったもんじゃない
フーディンexの攻撃に必要なエネルギーの供給は「ネイティオ」の特性「アカシックセンス」を使うことで手札補充も兼ねた動きを実現しています。
また、必要最低限の範囲のカードを極力採用することでネイティオを採用したデッキにありがちな「ネイティオと超エネルギーを大量に搭載しなければ、手札補充もエネ加速もできず苦しい」といった問題点もそこそこクリアできているものと思われます。
とはいえ、一応基本的に相手のシステムポケモン達を機能停止に追いやっていることが多いことからそうそう簡単にフーディンを撃破される心配もないので、エネを手張りで賄いつつ別の手札補充要員を導入しても良いかもしれません。最後の一撃要員にもなる「ばくそうドロー」の「ドードリオ」や、デメリット無しの1ドローとなる「いそぎあし」の「ギャロップ」あたりが候補でしょうか。
元々フーディンとの相性もよく、時間稼ぎから詰み要員にまでなる「ミミッキュ」の採用もしっかりとしています。対処事項が一つ増えるのは厄介ですのでやはり強力ですね。
ACE SPECは「プレシャスキャリー」の採用です。盤面を素早く展開したいこのデッキにはかなり相性がよく見えます。また、展開した分だけデッキ圧縮に繋がり、ネイティオでのエネ加速兼手札補充の成功しやすさにつながるのもポイント。
一応僕としてはデヴォリューション宣言後の状況を考えて、「アンフェアスタンプ」で相手の手札を思い切り削りつつ盤面をグチャグチャにするというのも悪くないかなと思いました。どちらも強力なので採用はお好みとなりそうです。
奇策を用いながらも堅実なデッキ構築でしっかりと構築をまとめてきたユキネさん。惜しくも総合優勝を直接対決に敗れ逃してしまいましたが、それでも強力なデッキコンセプトかつ大変愉快で陰湿な素晴らしい戦法でした。お見事です。
さけねこ賞 「後手1アーボック」 byだいすけ
さて、今回の「主催者の選ぶデッキ賞」……通称「さけねこ賞」ですが、お二人に授与されることとなりました。
そのうちの一人目のだいすけさんですが、先述のユキネさんと同じく「ロケット団のアーボック」を基軸としたデッキを組んできました。なかなか変態チックでとてもいいデッキだったと思います。
さて、やってる事自体は「アーボックで蓋して相手の特性持ち進化を出させないようにして積ませて勝とう」という、ユキネさんと似たような方向性なわけですが。だいすけさんはより常軌を逸した方針で後攻1ターン目から試合を組み立てていくこととしたようです。

まず、「ロケット団のリーシャン」、「危険な密林」をバトル場に展開します。更に「ロケット団のアーボ」、「アラブルタケ」をベンチに並べて「アラブルタケ」に「ブーストエナジー古代」を装備。特性「もうどくふんじん」でお互いのバトルポケモンを毒にして、リーシャンに「わざマシン エヴォリューション」と「ロケット団エネルギー」などのエネルギーを手張りし「エヴォリューション」を宣言することで「ロケット団のアーボック」(+任意の進化ポケモン)を作ります。そしてポケモンチェックでリーシャンは毒のダメージを受けるわけですが、危険な密林の効果により「あくタイプ以外のポケモンへの毒ダメージ+20」の修正値が適用されるため30のダメージを受けてリーシャンが気絶します。するとバトル場が空くので、そこに「ロケット団のアーボック」を送り込めば先攻2ターン目の「ほうせきさがし」や「マッハサーチ」、「ていさつしれい」といった強力な特性持ちのポケモン達を封じることが出来る盤面の出来上がり……。
と、なんとも無茶苦茶なことを言っているようですが。なんだかんだ言ってこのコンボは50%くらいは成立するとのことです(本人談)。ちょっとなにいってるかわからない
流石に要求値が無茶苦茶で、かつ必要なカードの中にかなり手札に入りにくいスタジアム1枚があり、その上ポケモンのどうぐ2枚を手札に引き込みつつ、少なくとも3体のポケモンとエネルギーまでを用意しなければならないことからそう簡単には揃わないとは思います。
ですが非常にロマンあふれるコンボで、決まったときはそれはそれはお相手にイヤーな顔をさせることが出来るでしょう。むしろ逆に要求が酷すぎて感心されるおそれもありますが……陰湿で何より
一応、後攻1ターン目に手札としてキープしたい札が多いわけでもなく、むしろ探したいカードと盤面に用意したいカードのほうが多いので、イキリンコexの「イキリテイク」やサポート「博士の研究」、ACE SPEC「シークレットボックス」でカードを探しつつかき集める動きは悩まずにできそうです。
とはいえアーボ/アーボックが1枚ずつ採用であること、手札に来られるとエヴォリューションできなくなってしまうことから引き過ぎには注意が必要です。
安全を考えるならば「ペパー」で「シークレットボックス+どうぐ」を引き込んで、どうぐ2枚とスタジアム、「大地の器」からエネルギーを手札に加えることはできますが……その分コストを含め手札消費も激しすぎるのは悩みのタネ。
「アクロマの執念」であれば「スタジアムとエネルギー」を手札消費無しで回収できますが、今度は道具2枚をどうにか拾ってこないとならなくなります。
どの道を通ろうとも苦しい道ではあるので再現性には多少疑問が残りますが……とはいえ、久々に恐ろしいコンボデッキを生み出してこられたのでシャルポケのみなさんにとっても衝撃的だったのではないでしょうか。
ちなみにアーボックが刺さらない対面に対しては、アーボックを投げた後の盤面形成要員でもある「Nのゾロアーク」のワザ「ナイトジョーカー」で「Nのレシラム」のワザ「イノセントフレイム」を宣言してどうにか頑張ろうという方針のようです。
流石にアーボックを射出する仕組みに全てを賭けている部分があるので仕方ないことではあると思いますが、それを差し引いても面白いギミックだったと思います。
個人的に気になるポイントとしては特にさほど「ロケット団」カテゴリサポートを受けているわけでもなく、ワザ「リンリンさわぐ」が強力に運用できているわけでもない(このワザ自体は強力です)ので、同じ毒スリップダメージで気絶できて、他に対象にならないデッキへの足止めの役割を持てる「スボミー」の採用を検討できるのではないかと思います。あ、もちろん手札1枚を奪う行為はきちんと強いのでそれはそれで採用理由にならないことはないです。
一応、「ロケット団エネルギー」が採用されており、アーボックやミミッキュへのエネルギー供給の負担を減らしているついででリーシャンと共有することも出来るので、ここはスボミーとの差別化点と言えるでしょうか。

なかなかに愉快なデッキでした。お疲れ様でした。
さけねこ賞 「フワライドの逆襲」 byもち
さて、さけねこ賞二人目はもちさんです。

皆さんジムバトルに参加されたことはありますでしょうか。ジムバトルに参加するとプロモパックがもらえるわけですが。とある期間のプロモパックの中に、「なかよしポフィン」が封入された回がございました。
このなかよしポフィン、まぁ現状ポケカのグッズとしては相当効果が強く、故に比較的高値で取引されているカードなわけで、皆さん欲しいカードではありますよね。あんなモンなんぼあってもいいですからね、俺も欲しいです。
というわけでこぞってジムバトルに通った方々もいるかと思いますが、このジムプロモ、いくつかの種類のカードが封入されているわけですね。
その中にこんなカードが有りました。

「フワライド」です。フワライドといえば、進化元のフワンテともどもまぁそれなりに人気のあるポケモンではあり、度々カード化されているわけなのですが……とりあえずこのカードの性能について考えてみましょう。
超1エネ「ぶきみなかぜ」で確定混乱、超2エネ「バルーンリターン」は110ダメージを与えながらこのポケモンとついているカードすべてを手札に戻します。
うーん。
弱くはない。でも、強くはない。
同じフワライドには超1エネで自分の場のフワンテ及びフワライドの数x50ダメージを与える「みんなでばくはつ」を持つ(ついでに耐久が20も高いHP130の)フワライドがおり、火力が欲しいだけならどうしてもそちらに対して見劣りしてしまいます。そもそも、火力を出したいだけなら進化前のフワンテでも十二分な破壊力を持っていることはみなさんもサーナイトexデッキを思い起こしていただければわかるでしょう。また、超エネ3つも要求してくるといえども好きなようにダメカン8個を相手ポケモンにばらまくことの出来る「のろいをばらまく」持ちのフワライド(こちらは入手難易度が低い)もいます。
フワライド族(激戦区)の中で、このフワライドにしかない主張点とは一体何なのでしょうか。
もちさんが目をつけたのは、ついているカードごと手札へと返ってくるという効果。ここに一工夫を加えていきます。
手札に返ってくるということは、ワザを撃った際にこのフワライドが抱えていたエネルギーは全て手札にあるということ。そこで、その超エネルギーを有効活用するため特性「アカシックセンス」を持つ「ネイティオ」を採用しました。
これでそれなりに要求の重い「バルーンリターン」を毎回撃つ準備を整えることができます。ついでにアカシックセンスには山札を2枚引く効果があるので、序盤のパーツをかき集めるのに使えないことはないです。
また、場を離れるので状態異常のデメリットが事実上踏み倒されることもメリットです。これを利用し、「くさりもち」を持たせてフワライドを「アラブルタケ」の特性「もうどくふんじん」で毒状態にし攻撃することで、毒のデメリットを踏み倒しつつワザのダメージを150ダメージまで伸ばすことができます。この40ダメージはかなり大きな違いで、ポケモンチェック往復分の毒のダメージと合わせて2回で160×2=320ダメージを与え、大型のポケモンを倒せる可能性が高まります。回収が面倒な「くさりもち」を装備ポケモンごと叩き割られにくいのもGOOD。

ここまではフワライド単体での話。更に相性の良いカードを追加していきます。
お互いのバトルポケモンを毒状態にするということで、スリップダメージの補強にスタジアム「危険な密林」も採用できるでしょう。また、フワライドは場を離れるためバトル場がガラ空きになることを利用し、前に送り出すポケモンを「もうどくしはい」を持つ「モモワロウ」にすれば更にスリップダメージをカサ増しすることができます。ここまで全てを展開することができれば、合計のダメージは110(素点)+40(くさりもちバフ)+80(強化毒スリップ)で230点となり、たねポケモンexであれば大概が耐えきることができずにダウンするほどのダメージとなります。
ここまでやってそんなもんかよ、と思うかもしれませんが、意外とバカにならないことでもあり、本来2ターンかけて倒す筈のたねポケモンex達を1ターンで倒しつつ次の攻撃の準備をできること、また毒のスリップダメージでのきぜつは相手の番のダメージではないので、リカバリーとしてよく使われている「キチキギスex」の特性「さかてにとる」の発動を許さないというメリットにもつながっています。
地味に「ぶきみなかぜ」は確定混乱のため、悪足掻きに50%のコイントスを通させる状況を押し付けることが出来るのもポイント。ワンチャンス性能としてはそれなりで、困ったときに1ターンを生み出すことが出来る可能性があると思えば十分です。追い込まれてからでは流石に遅いので、早めの使用を検討する必要はありますが。
挙動自体は所謂「モルペコドール」……少し前にポケカをやっていた方ならわかると思われますが、アタッカーを引っ込めながら盾になるもので受ける、という陰湿戦術の派生形と言えます。
現在のところはあのモルペコドールのような挙動を取るために必要なサイドを失わない盾がほぼ存在しないので、どうやったところでサイドは進行していってしまいますが、モルペコドールと違う点はアタッカーであるフワライドが盤面に残らないこと。
これはメリットでもデメリットでもあり、メリットとしてはアタッカーを倒されることがほぼ無いため、一度ワザを撃てる仕組みまでできてしまえば継戦能力は(理論上)高いこと。実際には様々な障壁が立ちはだかるためそう簡単にうまくいくとはいい切れませんが……。
逆にデメリットとしては、先ほど理論上と書いた原因といえる要求の重さです。手札にフワライドが帰ってしまう都合から、毎番フワライドで攻撃を行うためにはフワンテから進化させてすぐにフワライドを動ける状態まで育てなければいけません。返しの番でフワンテを狙われるのをケアするならば、盤面にフワンテが2体+手札に戻ったフワライドの進化元が1体と3体のフワンテを盤面と手札に呼び込まなければならず、かなり頑張る必要が出てきます。
更にフワライドのエネ要求は超エネルギーを2つ。これもそうそう簡単に満たせるもんじゃありません。ネイティオを使って解決、と書きましたが実際問題これはこれでネイティオ分のスペースを取るということ、ネイティオを狙われることに対して非常に弱いということ、アカシックセンスで手札補充と育成を効率良く行うには超エネルギーがそれなりの枚数必要となりデッキスペースがかなり限られてしまうことと問題は山積みです。
なので先程述べた通り、スリップダメージカサ増しのためモモワロウを前に出している部分で、特性持ちからダメージを受けない特性の「オーガポン いしずえのめんex」やポケモンexからダメージ・効果を受けない「ミミッキュ」などを出して時間稼ぎを行う判断をしても良さそうです。モルペコドール感がより増しますね……嫌な思い出しか無いんだよなぁ
とはいえ、一世を風靡(?)した強いアーキタイプの再来として、一つ面白い形のデッキの原案となったのではないでしょうか。
みなさんもこのフワライドを使って相手に悪い状況を押し付けるデッキを作ってみてはいかがでしょうか。お疲れさまでした。
さいごに
いかがでしたでしょうか。今回はなかなか陰湿で変態で戦術的なデッキが多かった印象ですね。
なにか一つでも参考になった、あるいは面白かったと思えるような事がありましたら、ぜひ皆さんもこういったデッキを組んで遊んでみていただけたらと思います。
また#シャルポケでXを検索していただけると、これ以外にも良いデッキがたくさん投稿されていますのでそちらもぜひ。
次回のシャルポケはBW拡張パック環境の更新翌日となり、大量のカードが投入された環境となるため何が起こるかわからない回となりそうです。どんな変態デッキが生まれるのか、今から楽しみですね。
それでは次のシャルポケでお会いしましょう。どうぞよしなに。
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