はじめまして、ねこじたです!
これまでなつこさんが更新してくださったデッキ紹介記事ですが、今回大会よりわたしねこじたが執筆することになりました!
どうぞよろしくです!
総勢20人が参加した第35回ポテンシャルポケカ。
本記事では、A~Eの5つに別れたそれぞれの卓で優勝したデッキ、およびわたしねこじたがピックアップしたデッキ、合わせて7つのデッキを紹介します!
目次
A卓
卓優勝 | Dariさん |
デッキ名 | 続・帰ってきたダイナミックボルト |
デッキコード | 6QLgHg-uN36ZW-gnPn9H |
思い切りのいいデッキの登場です。
デッキ名にもあるピカチュウexのワザダイナミックボルトは、3エネ220点ダメージと、たねポケモンexの中では上位に入る火力を誇ります。
ネックなのは、ダイナミックボルトを撃ったあとのコイントス。もし裏を出した場合、せっかくつけたエネルギーがすべてトラッシュしてしまう、強烈なデメリットが。もう一度ダイナミックボルトを打つには、一度ベンチに引っ込めてエレキジェネレーターやエネルギーシールで当たりを引き、そのうえでバトル場に戻す必要があります。ピカチュウexの逃げエネが0であることを加味しても、なかなかに高いハードルといえるでしょう。
とにかくギャンブル性が高いこのカードは、雷デッキに採用するにしても1枚が限度で、1回のバトルで1回だけダイナミックボルトを打つ。サブアタッカーとして採用するポケモンだと思います。
普通のプレイヤー視点であれば。
ところがDariさんは勝負師でした。なんと、このピカチュウexを3投しています。雷のたねポケモンの打点を底上げするレジエレキVMAXも3枚採用しているあたりからも、ピカチュウexをメインアタッカーとして闘う強い意志がうかがえます。
さらに、雷デッキの盤面作りに安定感をもたらすタンデムユニットのミライドンexも不採用。自らの運をとことん信じた構築です。
そんな勝負師が唯一、コイントスで裏を出した際に備えて採用したと思わしきポケモンが1匹。
エレキッドです。 エネなしで相手の場のどこにでも30点を飛ばせるお利口さん。この子もピカチュウex同様、逃げエネが0で使い勝手がいいですね。
2匹の共通点は他にもあります。
それはHPの水準が低いこと(ピカチュウexは190、エレキッドは30)。 容易にワンパンされかねない低耐久を補うためか、エーススペックはサバイブギプスを採用しています。これさえ着ければ、HPに関係なく2回ワザを放つことが可能ですね。
すべて運任せの豪快なデッキかと思いきや、弱点を補うための工夫も施された構築に、わたしはただただ驚嘆するばかりでした。
さらに驚いたのは、Dariさんのポスト。大会後、彼はこのようにつづっています。
〝運に助けられた感もあります〟
信じられますか?
個性的なデッキを巧みに操る実力者が集うシャルポケで卓優勝に輝いても、決して飾らず、奢らない。 Dariさんに見習うべきはデッキの構築力だけではないかもしれませんね。
B卓
卓優勝 | けんたささん |
デッキ名 | なし |
デッキコード | nngLPg-Wwo6xP-gHLnHL |
けんたささんは初参加で卓優勝に輝いた、期待の新人さんです!
(シャルポケに誘ったわたしの目に狂いはなかった!)
レシピをぱっと見ただけでも、豊富なサイドプランがうかがえる構築ですね。
まず目につくのはデスカーンex。序盤はこのポケモンで前に110点を与えつつ、ベンチにダメカンを5個ばらまいていくのでしょう。
デスカーンexは火力こそ低いですが、きぜつ時に好きなカードを1枚デッキから持ってこれる、器用な特性を備えています。臨機応変に最善の一手を返せる点が強みです。
ヒスイバクフーンVSTARも活躍します。VSTARワザかげろうスターは、ダメカンがちょうど4個乗っている相手のポケモンをきぜつさせます。普通のデッキでは満たしにくい条件も、デスカーンexのワザやかがやくフーディンの特性を使えば、さほど難しくなく達成できるはず。
進化ポケモンの天敵、デヴォリューションの存在もニクいですね。ヒスイバクフーンVがベンチに置かれると、ダメカンが4個乗らないよう工夫することばかりに気を取られがち。で、このワザマシンを不意に出されてサイドを複数取りされ、頭を抱えると。
ピン差しのテツノコウベは最終盤で光りますね! ダメカンを乗せるギミックのデッキだと悟った相手は、マナフィをベンチに置かずに切ることも少なくないはず。ノーガードのベンチポケモン3匹に50点をたたきこんで勝利を決める。爽快感すごそう。
サイドプランの選択肢が豊富な分、回すのにとても頭を使う、上級者向けのデッキという印象を受けました。
それを見事に使いこなして優勝したけんたささんは、将来的にシャルポケを代表するプレイヤーになるかもしれないですね!(わたしがシャルポケにスカウトしました)
C卓
卓優勝 | バニラさん |
デッキ名 | ヒスイウインディ&鋼ラウドボーン |
デッキコード | Fkk5kV-x06fOI-5kF5Fb |
デッキ紹介に入る前に。みなさん、こんな2択で悩んだことはありませんか?
バトル序盤。バトル場にはまだ育っていないアタッカー、ベンチにかがやくゲッコウガ。サポートは使用済み。細い手札のうち、エネルギーはたったの1枚。
このターン、どうしても手張りしたい。でも、かくしふだも使いたい。
みたいな。
結局、己の引きを信じてかくしふだを使うと、引けたのはハイパーボールとボスの指令だった。
みたいな。
そんな、思わず涙ぐんでしまう展開は、このデッキにおいては無縁です。
気持ちよくかくしふだできます。ためらいなくかくしふだできます。
ひとえに、ヒスイウィンディがエネなしで120点を出せるからです。
自分のベンチポケモンにダメカンが乗っていることが条件ですが、かがやくゲッコウガとマグマの滝壺を採用している以上、容易に満たせる縛りです。
たしかに便利だけど、ちょっと火力が足りないって?
――なら、ラウドボーンexで火力あげちゃおうぜ。
この2進化ポケモン、手札の炎エネ1枚を切るだけで60点もバフをかけてくれます。
60点ですよ、60点。マキシマムベルトの50点で騒いでる場合じゃないんです。
ラウドボーンexを出せば、炎エネ1枚がエーススペックのマキシマムベルトにも勝るカードに化けるんです。
マキシマムベルトより10点多く火力が出せて、
相手のポケモンがex以外が相手でも機能して、
他のどうぐを持たせることもできて、
他のエーススペックを採用できて、
あくまで基本エネルギーだからデッキに何枚でも入れられる。
こう書くと強く思えてきませんか?
ダークライVSTARのように、構築済みデッキに入っている新規カードのパワーではないと思えてきませんか?
ちなみにバニラさんの構築の炎エネルギーは8枚。アンフェアスタンプと合わせて、エーススペックを実質9枚も積んでいることになりますね。
トラッシュから回収しにくいふしぎなアメを採用するデッキですが、イキリンコexが入っていますね。デッキと要となるカードを大胆に捨ててでも盤面を完成させるなんて大胆です(わたしは2進化デッキに博士とか入れると胃が痛くなるタイプ)
エーススペック枠は先ほど触れたアンフェアスタンプ。非ルールのヒスイウィンディやルール持ちの中ではHPの低いエンテイVが前に出る機会の多そうなデッキです。発動タイミングは多そうですね。
D卓
卓優勝 | ちっくさん |
デッキ名 | ネンドールLO |
デッキコード | kvFvfV-YCokCw-fFbf55 |
ちっくさんもまた、シャルポケ初参加で初優勝に輝いた凄腕です。
(なんでも、別のポケカイベントでわたしの作ったデッキを見たことがきっかけで参加してくださったそうです。嬉し涙が出る)
ナマズンを軸に据えたLOデッキです。
ナマズンは、自身についている闘エネの数だけ相手の山札を削る、LO界隈で盛んに活用法を研究されている1進化ポケモンです。ワザあばれてゆらすは基本闘エネルギーではなく闘エネルギー参照なので、サイド差があればリバーサルエネルギーもカウントしてくれる点が偉いですね。
トラッシュする枚数を増やすためのエネ加速要因にはネンドールが採用されています。1ターンにつき1枚、トラッシュの闘エネルギーを味方につけるネンドールの特性ミステリーチャージ。エネ加速手段に乏しい闘ポケモンにとって頼もしい味方です。
ただ、ミステリーチャージには非常に厳しい制約が。 自分のトラッシュに1枚でもサポートがあれば使えません。
博士の研究? 使えません。
ナンジャモ? 使えません。
こんなんどう考えても手札が足りねーだろ。
そう嘆きたくなりますが、チックさんはこのデメリットを3つの手段でケアしています。
1つ目はおなじみビーダル。特性での最大5枚ドローは強力で、多くの環境デッキでも採用されるポケモンです。
2つ目はラッキーメット。着けたポケモンが相手に殴られる度に2枚ドローできます。派手に強い手札増強カードではないかもしれませんが、LOデッキと闘っていて山札を下手に引けない相手からすると、2枚ドローでもなんだか恨めしく思えてくるでしょう。精神的アドバンテージで優位に立てるかもしれません。
特筆すべきは3つ目の手段、ネモでしょう。山札を3枚引くとても弱い効果を持つサポートですね。ビーダルとは違って環境では一切見ないですが、構築済みデッキ定番のカードなので、誰もが自宅のストレージに10枚は持っていそうなカードです。
もちろん、ネモもサポート。1枚でも使えばたちまちネンドールの特性が腐ります。
その問題を解決するのがネモのリュック。トラッシュのネモを2枚まで手札に回収できる、ネモ専用のグッズです。
汎用カードにトラッシュの好きなサポートを2枚まで山札に戻せるともだちてちょうもあります。けれど、戻したサポートを再び引き当てるのは難しいことも。ましてこのデッキではサポートが使えないので、ネモを直接手札に戻せるこのグッズは重宝するでしょう。
エーススペック枠はサバイブギプス。ナマズンが2回動けるだけでなく、ネンドールの特性も2回使えることになるので、2回目のワザ宣言では1回目よりさらに多く山が削れるでしょう。
まさしく、カードのポテンシャルを存分に引き出した素晴らしい構築でした。
こんなLOデッキを作れるちっくさんも、いずれシャルポケの顔になり得るプレイヤーかもしれません(わたしのデッキをきっかけに参加してくださったそうです)
E卓
卓優勝 | QUALさん |
デッキ名 | ブジンビートダウン |
デッキコード | PgNn9H-9eErPf-gHLgHg |
このデッキのエースは、4枚フル投入された非ルールのテツノブシン。スターターデッキ&ビルドセット「未来のミライドンex」に収録された1枚です。
……まだメインアタッカーを紹介しただけですが、この時点で凄くないですか?
初心者向け商品に収録された、初心者もそう強く関心を持たなそうなカードが主軸なんです。本当に強いプレイヤーはマイナーカードの可能性もぬかりなくチェックしてるんですね。
話を構築に戻します。
テツノブシンのワザジェミニレーザーは無色1エネで相手のバトル場およびベンチ1匹に20ダメージを飛ばします。このデッキはこのワザをくり返し放つ戦法を取るようです。
一見、火力が足りずバトルが終わりそうにない印象を受けますが、レシピをよく見ると、勝ちに繋げるための工夫がそこかしこに散りばめられています。
火力不足を補うのは、ブーストエナジー未来とテツノカシラex。それぞれ1枚につき20点、相手のバトル場への打点を上げてくれます。すべて場に揃えたらジェミニレーザーの威力は120点に届きます。
ベンチを叩く以上、相手のマナフィを呼びますが、そんな事態は折り込み済み。キャンセルコロン、カウンターキャッチャー、ボスの指令がそれぞれ2枚ずつ採用されています。
HPが高く削りきるのは難しい2進化ポケモンはデヴォリューションで対処することもあるようです。
他に目を引くカードはクチートVSTARでしょう。プライムキャッチャーを特性に宿したポケモンです。
ワザも無色2エネとデッキを選びません。ダブルターボエネルギー1枚で動ける点も優秀ですね。180点を出すには条件がありますが、ベンチからバトル場に出るだけで満たせる緩めの縛りです。たとえいれかえ手段がなくても、自身の特性でバトル場に出せたりと、小回りが利く点も優秀ですね。
最も使用率の高いエーススペック、プライムキャッチャーを擬似的に使えるこのポケモンは、もっと日の目を浴びていいはず。
ねこじた賞①
卓優勝デッキの紹介は以上です。
総合優勝を発表する前にねこじた賞を紹介します。
ねこじた賞は、惜しくも卓優勝は逃したものの、わたしねこじたが特に気になったデッキを紹介する賞です。
初回の受賞作は2作。
1つ目はフォルテさん作〝ビッ○モーター〟
あの……気になったデッキを称えると言って間もないのに言いにくいんですが……本当は、こういう、まとめる側も飛び火で炎上しかねないデッキを取り上げたくなかったです。まして、引き継いだばかりの初回の記事で。
ただ、あまりにユーモアに富んだ構築だったので、わたしの安い首をかけて紹介することにしました。
言うまでもなく、これは伏せ字も機能しないほど有名な、某中古車販売会社が起こした問題をモチーフとした危険なデッキです。モチーフに関してはこれ以上の言及を避けて、中身の話題に移ろうかと思います。
雪道が消えて高耐久を維持しやすくなったブロロロームexを主軸にした構築ですね。とつげきチョッキを4枚着ければ実質耐久は440にまで及びます。こうなると、まともな方法では突破できません。どこぞの企業のように、常識では考えられない手段を選ぶしか……なんでもないです。
手札補充用にexではないブロロロームも採用されています。ビーダルのはたらくまえばと似た、エネルギーを1枚捨てると手札が6枚になるまで山を引ける特性ランブルエンジンを持っています。まさに、このデッキを回すオイルの役割を果たしてくれていますね。
エンジン……オイル……
ええと、メインアタッカーとシステムポケモンで進化元を共有できると枠の節約に繋がっていいですよね。
さて注目はフォレトスex。レシピを見ただけでは採用理由が分かりませんでした。エネ加速が目的なら、色の合うメタングあたりを採用した方がいいかなと思ったので。
その謎は、フォルテさんのポストを見て明らかになりました。
曰く、除草剤を撒くことをイメージしての採用だそうです!
そういえば、○ッグモーターって車の問題に限らず、街の街路樹とかに勝手に――
このデッキの紹介は以上とします。デッキのいたるところに例の事件との関連性を匂わせるカードが含まれているからです。書いてて炎上しないかとヒヤヒヤします。かがやくジラーチを相手しているときの感覚に似てる悪寒。
ねこじた賞②
続いてのねこじた賞は、MOJYAさん作〝サイド6枚取り〟です。
サイド6枚取り。
ポケカを嗜む者であれば、この響きだけで高揚しませんか?
わたしもその1人です。
初めて〝よけいなかふん〟のアブリボンというポケモンを目にしたとき、脳裏に過りましたよ。このカードとクロバットやテツノカイナexと組み合わせて、一気にサイドを5~6枚取りたいって。
でも「そんなコンボ、都合よく実現するわけないか」と空論で片付けてしまう。
わたしに限らず、ほとんどの方も同じじゃないですかね。
でも、MOJYAさんは違いました。
MOJYAさんだけは、サイド6枚取りの夢を追い続けて、それを形にしてくれました。
夢のサイド6枚取りは、ルール持ちシステムポケモンを縛ることから始まります。
縛った相手をネンドールのドッカンドールで残りHPを10まで削ります。その次にピクニックバスケット。このグッズ、お互いのすべてのポケモンを30回復するユニークな効果を持っています。
なぜ相手のポケモンまでも回復させるカードを使うのか。それは、本デッキの主役の1枚、アブリボンのワザよけいなかふんの威力が30点であるためでしょう。よけいなかふんの効果は相手のポケモンがきぜつしたら使えません。
ここまで場を整えたら、あとはクロバットをリバーサルエネルギーで起動。再びHPが10にまで減った相手にクリティカルバイトを打ちます。
イキリンコexをきぜつさせて2枚。
よけいなかふんの効果でさらに2枚。
クリティカルバイトの効果でさらに2枚。
サイドを取り切りまして、対戦ありがとうございました。
……想像しただけでドーパミンがあふれ出ますね。失恋とか落ち込む出来事があったときにこれを思い浮かべようと思います。
相手が非ルールデッキでも対応できる柔軟性や、フェザーボールで持ってこれるポケモンが多く手札に優しいこと、かがやくイーブイで最大5枚も好きなカードを持ってこれる点も評価ポイントです。
(こっちのねこじた賞は不安なく書けてよかった)
総合優勝
さてさて、映えある総合優勝に輝いたのは……
テツノブシンを使われたQUALさんです!
半年ぶりの総合優勝だったそうですが、結果発表後も落ち着きのあるクールな姿を見せていましたね。
ちなみに優勝して受け取ったクリムゾンヘイズからはガチグマexのSARが出たそうです。引きも強い。
そして優勝賞品はボックスに限りません!
総合優勝に輝いたデッキは、もちポケチャンネルさんでプレイ動画化されます!
より詳しい回し方は、もっちさんの動画公開をお待ちください!
総評
ここまで読んでいただきありがとうございました。
記事を書いている最中、今回大会の使用デッキを集計しようかなと考えましたが、シャルポケには個性的なデッキが集まる関係上、他の大会に比べて統計を取る意義が薄いと気づきやめました。
それでもねこじた賞を選定する際、無意識のうちにある傾向があると気づきました。
シャルポケ、明らかに爆発系が多いんですよ。
ばくれつエナジーのフォレトスexやどっかんスパークのネンドール、爆発のイメージが強いマルマイン…!
爆発にはシャルポケプレイヤーを惹きつけるなにかがあるようです。
次回開催は5月11日!
いつもと違って第2土曜日での開催となります、スケジュール管理にご注意を!
君もシャルポケで爆発だ!
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