はじめまして。Dariと申します。
最近順番持ち回りっぽくポテンシャルポケカのレポート記事を書いているわけですが、今回は俺の番だそうです。
はじめに自己紹介を。
ポケカ歴は本格的にやり始めて4年、シャルポケは2年半前ほどからの参加です。
ありがたいことに何度か卓優勝、総合優勝をいただいています。これからも精進したいと思います。
ポケカ以外には他のカードゲームやビデオゲーム、オンラインゲームなどもちょいちょいやってます。
それでは総合優勝デッキ、各テーブルでの卓優勝デッキ、主催者の選ぶデッキ賞(さけねこ賞)についてご紹介を。
総合優勝、A卓優勝「メガヤンマアノホラグサ」 byもち
新弾「熱風のアリーナ」より「メガヤンマex」を使ったデッキが総合優勝です。

まず「メガヤンマex」の性能について。

特性「バズブースト」によってベンチからバトル場へ出た際に山札から基本草エネルギーを3枚までつけることが出来ます。
ワザ「ジェットサイクロン」は要求エネルギーが多いワザですが、自身の特性によって比較的簡単に行動することができるポケモンとなっています。
「ジェットエネルギー」と併用することによって、山札に基本草エネルギーが3枚存在する限りエネルギーがない状態からでも攻撃に入れるという優秀なポケモンであることはみなさんもご存知のことでしょう。
ですが「ジェットサイクロン」には優秀な特性やダメージ量と引き換えにデメリット効果がついています。
このポケモンについているエネルギーを3個、強制的にベンチポケモン1匹に移動する効果です。
このため連続でワザを放つのには不向きなポケモンとなっていますが、言い換えれば、ジェットエネルギー1枚でダメージを与えながら後続のベンチポケモンの育成を行える、ということになります。
さて、ここで皆さんに質問です。
「ジェットサイクロン」を使ったあと、(だいたい草エネを送って)ベンチで育成したいポケモンとは何が思い浮かぶでしょうか。
……なるほど。ええ、そうですね。

「アノホラグサ」です。なんでさ
このポケモンはついているエネルギーの数ぶん、コインを投げてオモテの数×80ダメージを与えるワザ「パワフルニードル」を持っています。これにより、「ジェットサイクロン」でダメージを与えながら、更にコイントス―――ギャンブルの下準備を整えていくという寸法です。
メガヤンマexを倒されてもアノホラグサの特性「ざっそうだましい」により失ったサイド分耐久が増える結果になり、逆にアノホラグサが呼び出されて倒されても失うサイドが1枚でよいので、この部分での組み合わせも相性が良くて損した気分になりにくいのもいいですね。
アノホラグサのエネ大量抱え落ちをケアするならば、「エネルギーリサイクル」の採用も視野に入れておいてもいいかもしれません。
ACE SPECは珍しい「スクランブルスイッチ」の採用ですが、「バズブースト」→「スクランブルスイッチ」→「リバーサルエネルギー」と使うことで0からコイン6回分(もとからメガヤンマに付いている分を含めると7回分)の大逆転チャンスを生み出す、という目的のようです。
以前よりコインを投げまくるデッキを使うことに定評のある同氏の新デッキですが、今回は攻撃と育成を同時に行うことでかなり堅実にゲームを組み立てていけるデッキとなっています。総合優勝おめでとうございます。
B卓優勝「ひおくりバレット」 byユキネ
新弾「熱風のアリーナ」より「ヒビキのホウオウex」を採用したバレットデッキです。


特性「こんじきのほのお」は手札から基本炎エネルギーを2枚までベンチの「ヒビキのポケモン」につける特性です。これを使って手札から炎エネルギーをヒビキのホウオウexにつけて、グレンアルマの特性「ひおくり」で好きなようにバトル場へ炎エネルギーを移動し、様々なポケモンを使って戦おうというデッキになっています。
特性「ひおくり」には「基本」炎エネルギーという制約は存在しないので、「ルミナスエネルギー」を移動することも出来ます。なので、ルミナス1個+無色エネルギー複数個、という要求までであれば比較的簡単に満たすことが出来ます。
これに着目し、炎ポケモンのみならず、サイドレースを有利に運ぶ「テツノカイナex」や複数体攻撃を可能とする「オーガポン いどのめんex」、無敵状態などを貫通しダメージを与えつつ自身は特性を持つポケモンからのダメージを無効化する「オーガポン いしずえのめんex」といった強力なポケモン達を採用しているようです。
さらに、タイプの一致しているポケモンからは比較的珍しいチョイスと言えるポケモンを採用しています。

「オーガポン かまどのめんex」、「ウガツホムラex」の2体です。
どちらもこれまででは満たしにくかった炎エネルギー複数枚という要求を満たしやすくなっており、たねポケモンとしては破格の高火力技をお見舞いすることができるので強力になったと言えるでしょう。
ちなみに「キチキギスex」のワザ「クルーエルアロー」は無色3個で放てるので、忘れた頃に自由に100ダメージを与えられることが勝利につながることもありそうです。
また「レガシーエネルギー」を採用するとポケモンex達の取られるサイドを軽減することができ、継戦能力に磨きがかかりルミナスエネルギーと同様多色エネルギーとして運用も可能、かつ「ひおくり」の恩恵で博士の研究などでのトラッシュ前に適当に手張りしておいても問題ないので相性は良さそうです。もちろん「プライムキャッチャー」も強力なのでそこはお好きにと言ったところですね。
「博士の研究」や「ゼイユ」を多く採用することで必要なパーツをしっかり引き込めるようにしていたり、「スーパーエネルギー回収」や「夜のタンカ」で博士などのデメリットのケアや被撃破後の状況からの復帰をしっかりと意識したりと構築も見事だと思います。お疲れ様でした。
C卓優勝「ボムジュラス」 byさけねこ
当日キャンセル発生につき緊急エントリーした主催・さけねこさんのデッキがまさかの卓優勝です。

デッキコンセプトは「相手の出足を迅速に潰せば勝てるのでは?」とのことで。
このため、「イキリンコex」「ゼイユ」といった先攻を取れた際にカードを探しに行けるカードをしっかりと採用しています。

また、「おとりよせボックス」は使うとターンが終わってしまいますが、山札からグッズを2枚手札に加えることができるカードで、「ヨノワール」の準備のための「ふしぎなアメ」などにアクセスする手段になります。
こういった迅速に準備を整える手段を豊富に取り入れることで、素早く出足を挫く戦い方を実現しているとのことです。
更に、出足を挫いた先でのプランとして、制圧力の高いポケモン「ブリジュラスex」を投入し蓋をすることで相手の反撃を許さない体制を作り出します。
自身の特性の恩恵でバトルの準備がしやすく、ワザの追加効果や元々の耐久値の高さで突破が困難なポケモンのため、より相手にプレッシャーを掛けることが出来ます。
自分の強い動きを通し、そのまま制圧して勝ち切るプランを描く。そのゲームプランを組み立てていく構築にしっかりとなっていると思います。お見事でした。
さけねこ賞「メルメタル」 byけん
今回の主催者が選ぶデッキ賞です。
皆さん「メルメタル」というカードはご存知でしょうか。意外とちょくちょくカード化されているポケモンですが、記憶に残るほど鮮烈な活躍を見せるカードではなかったと思います。
実際僕も対面で出てこられたら「誰だお前は」と驚くでしょうね。今回はそんなメルメタルを主役として活かし、けんさんがデッキを組んで勝負に来ました。

まず「メルメタル」の基本情報を。

非ルールポケモン、HP160で鋼タイプの1進化ポケモンとステータス自体はぶっちゃけ地味それほど特筆すべきことはありません。特徴的なのはそのワザ。
「リモデルアックス」は「鋼無無」の3エネと手札からの「ポケモンのどうぐ」1枚トラッシュを要求とコストは重いですが、相手のバトルポケモンに250もの大ダメージを与える強烈なワザです。
このためワザを撃つことさえできれば多くのポケモンを追い詰め、或いは討ち倒すことが出来うる破壊力を発揮します。
さて、ここで問題が発生します。
一つは「要求されているエネルギーを満たす方法」、もう一つは「ポケモンのどうぐを継続的に手札に持つ方法」です。
前者の問題について。この手のワザ、特に無色エネルギーを2個要求してくるワザに対して救いの手とも言えた「ダブルターボエネルギー」がレギュレーション変更によって使えなくなったことは記憶に新しいことかと思います。このため気軽に満たせる要求ではなくなってしまいました。とはいえ、鋼エネルギー要求であるという一点において、現レギュレーションではそれなりに他のタイプよりは一日の長があると言えます。

特性「メタルメーカー」を持つ「メタング」がカードプールに存在するためです。
山札の上4枚を確認し、基本鋼エネルギーを好きなだけ自分のポケモンにつけるという特性で、めくったカードにエネルギーが入っている必要はあるとはいえ比較的簡単に要求を満たせる可能性が高いです。
メタングを2体並べることができれば毎番8枚を確認することができるので、かなり確度は高くなります。手張りの権限を考えると8枚中2枚が鋼エネルギーならば1ターンでメルメタルの準備が整いますからね。もちろん1体でも十分だと思いますが。
これに加えて、基本鋼エネルギーを全部で13枚とかなり多めに採用しています。これで確度高く「メタルメーカー」でメルメタルの準備を行う仕組みを作っています。
もう一つの問題について、簡単に思いつく手段としてはスタジアム「タウンデパート」の採用でしょう。
「タウンデパート」はお互いのプレイヤーは毎番自分の山札から「ポケモンのどうぐ」を手札に加える効果を持ちます。これによってひとまず「ポケモンのどうぐ」を手札に加えることは出来ます。
とはいえこの手札に加えられた「どうぐ」は「リモデルアックス」のコストとして投げ捨てられます。更にスタジアムを戦術の基盤とする場合、相手から見ても手の届く範囲での妨害が可能なため、迅速にスタジアムの張り替えを検討されてしまうことから安定性に欠けてしまいます。さて、どうしたら良いでしょうか。
ここにけんさんは一つ策を巡らせました。

「ポケモンのどうぐ」である「たべのこし」、そして特性「くいいじ」を持つ「カビゴン」の採用です。
特性「くいいじ」はトラッシュにある「たべのこし」を毎番手札に加える効果を持ちます。これによって前の番の「リモデルアックス」でコストとして投げた「たべのこし」を拾う動きを実現しています。
これは「毎番の安定したコストの供給」というだけではなく、「初回以外のタウンデパートへの依存率の低下」というメリットを生んでいます。戦術の妨害に対して多少耐性を持つことができる、と思えば十分なメリットですね。
更に言えば、初回以外タウンデパートが必要ないので他のスタジアムを採用することが検討できます。けんさんはこれを活かし、「ジャミングタワー」を採用しています。
世にも珍しい「タウンデパート」と「ジャミングタワー」が共存する奇妙な面白い見た目になっていますが、これによって「タウンデパートへのタダ乗りに対しての牽制を用意する」というシナジーが発生しています。芸術点が高いですね。やってることが倫理的にやべぇということ以外は
改善案としては1枚でエネルギー要求を満たしうる「リバーサルエネルギー」、初動である「タウンデパート」と前述の「リバーサルエネルギー」へのアクセス手段となるサポート「アクロマの執念」は採用候補に上がるかな、といったところ。
ちなみにけんさん曰く「リバーサルエネルギーは存在を忘れていた」とのこと。なんでよ
また、ACE SPECは展開重視で「プレシャスキャリー」の採用ですが、非ルールポケモンとの相性が抜群の「レガシーエネルギー」の採用が検討できたり、「すごいつりざお」も「エネルギーリサイクル」や「せいなるはい」でトラッシュから拾える枚数を増やせるように調整したりするなど、まだまだ構築に自由が効くと思います。
メインポケモン、ギミックともにこれぞシャルポケと言ったデッキで素晴らしかったです。おめでとうございます。
さいごに
いかがでしたでしょうか。今回はシンプルでわかりやすいデッキが多かった印象ですね。
なにか一つでも参考になった、あるいは面白かったと思えるような事がありましたら、ぜひ皆さんもこういったデッキを組んで遊んでみていただけたらと思います。
また#シャルポケでXを検索していただけると、これ以外にも良いデッキがたくさん投稿されていますのでそちらもぜひ。
僕は今回エーフィでハンデスする性格の悪いデッキを叩きつけに行きましたが、結果が振るわなかったのでそのうちリベンジしたいと思います。手札だよなぁ、壊してぇのはよ……
それでは次のシャルポケでお会いしましょう。
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